食のパラドックス

◾精肉や牛乳に残留した抗生物質は、広範囲抗菌スペクトル性抗生物質を飲んでいる人間に大きな影響を及ぼす。
◾非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、制酸剤(胃酸)
スクラロースサッカリンアステルパームその他非栄養人工甘味料は腸内のホロビオームを変えてしまい、善玉菌を殺す一方で悪玉菌を過剰繁殖させる。悪玉菌が増えると、防衛機構が兵糧をため込もうとするので脂肪が蓄積する。皮肉なことに、体重を減らすための商品が、まさにその真逆の働きをするのである。
カロリーフリーの甘味料の分子構造(パターン)は味蕾上の糖と結着する受容体にぴったり収まり、本物と同じ信号を出させる。本物の糖のカロリー(グルコース)が血流に入らず脳のグルコース受容体に感知されないと、脳は混乱する。味覚からは糖を食べているはずなのに、血糖値が上がらないので、ますます甘いものを求めるようになるのだ。
ステビア、チコリの根由来の甘味料、糖アルコール、ヤーコンシロップ、イヌリンなどを適量ならOK。

◾そこではトウモロコシで牛を肥育していた。どうして中西部中の牛をオハマに集めてトウモロコシで太らせていたのか?酪農家にとっては常識だが、牛は干し草や青草では脂肪をためこまないからだ。豚も同じ。豚は通常、脂肪の多い動物ではない。野生の猪や豚は痩せていて、筋肉質な動物である。そして豚と同様、人間もトウモロコシを食べると太るのだ。

◾挽いた全粒穀物のレクチンはすでに放出されており、さらにいけないことに、脂肪酸が酸化しないようにBHT〔エストロゲン類似ホルモンとして働き脂肪蓄積をまねく危険な添加物の一種〕で処理されている。
有機栽培の穀物は、ラウンドアップのような除草剤の影響がはるかに少なく、腸内細菌を痛めにくい。
◾中国南部の人々、日本人、韓国人(いずれも米が主食)が米国人よりも心臓疾患の発症率が低いのは、米がWGA(小麦胚芽凝集素)を含まないことを、思えば合点がいく。キタバ人が多食するタロイモ(日本のサトイモ)も、またアフリカ人が常食するアワ、キビ、ソルガム、ヤマイモもしかりだ。

◾プラントパラドックスプログラムのルール
1 何かの食品を食べることより、何かの食品を食べないことの方がずっと大事。
2 腸内細菌に彼らが望むものを与えれば万事丸く収まる。
3 果物はキャンディーと同じ。種のあるものは果物だ。ズッキーニ、トマト、アマトウガラシ、ナス、ピクルスなども果物だ。
4 あなたはあなたが食べているものであり、食べてきたものである。もし、人工的に飼育された肉(卵、乳製品も含む)、養殖魚を食べたら、トウモロコシや大豆を食べたも同然である。大規模畜産農家等はぼぼ必ずこれらを飼料にしているからだ。

◾米国で栽培されているトウモロコシの大半(家畜の飼料になるもの)はBtコーンと呼ばれる遺伝子組み換え品種である。これはマツユキソウから取った強力なレクチン生成遺伝子をトウモロコシに挿入して害虫耐性を高めたものだ。このレクチンを食べた肉を食べ、牛乳を飲んだあなたにもレクチンは受け継がれていく。
さらに、遺伝子組み換えトウモロコシを与えると鶏は骨量減少や骨粗しょう症になる。
あなたは、あなたが食べているものが食べていたものを食べているのだ。
◾圧力調理器は豆類のレクチンを破壊できる。他のナス類やカボチャ類(実は果物)も同様。麦類は無理。
◾発酵がレクチンを大幅に減らすことを示す証拠は数多い。しかし、グルテンを含む穀物はこれでも歯が立たない。

◾すべての病気の核心にあるのは、代謝の混乱である。摂取するエネルギーが、それを処理するミトコンドリアの処理能力を超えていることだ。主に糖やたんぱく質を取り過ぎているのだ。そこにLPSs(リポ多糖)を体内に運び込む飽和脂肪酸とLPSsを放出し続けるレクチンを加えれば、ミトコンドリアが職場放棄するのも無理はない。

◾集中ケアプログラムに腎臓を保護する働きがあることは、何も驚くことではない。私は獣医がさじを投げたヨークシャーテリアの愛犬を救ったことさえある。獣医は、腎臓疾患のために今月中には死ぬでしょう、と言っていた。実際私は彼女を楽にしてやった。脂肪に富むパンチェッタ(塩漬け豚肉)だけを与えてやったのだ(犬はやはり肉食動物なのだ)。人間には向かないが肉食動物には好適な食事で、むくみと腹水は消えた。それから2年間生き、老衰で死んだ。