ねこバカ いぬバカ

◾病院では、治療を受けて苦しんで亡くなる無数の患者さんを見てきました。3匹の犬を看取って、自然に死ぬのは苦痛がないことを改めて学びました。
◾僕は、わが子にも「アドバイス」ってしたことないの。あれこれ口を出すと、その子が持ち合わせていないものを、外側からつけ加えることになるから。
余計なことをしなくたって、子どもも動物も、自分の能力の範囲でちゃんと生きていきますよ。
◾寿命がのびるほど、がん死が増えるから。
細胞分裂を繰り返す中で、遺伝子のいくつかに傷がついて正常細胞がちょっと変化したのががんで、本質は老化現象ですからね。
◾ペットのがん治療は一種の無法地帯です。人間のがん治療もインチキが横行していますが、ペットはもっとひどい。
医療ミスがおきた時、患者が人間だと致死罪に問われるけど、ペットは器物損壊にしかならない。
ペットの場合、放射線、CTやMRI検査、ぜんぶ「全身麻酔で」となる。治療や検査のたびに全身にかけられたら、麻酔で死ぬリスクが高まる一方です。
愛するペットにできるだけの治療を?カモにされますよ
ペットを手塩にかけるのはいいんだけど、最期のところはあんまり一生懸命にならないで、自然に任せた方がいいんじゃないかと思います。手をかけるほど犬猫は苦しむから。
◾虐待行為の被害者という意味では、こういう言いかたは問題かもしれないけれど、ペットと老人は同じなんです。
病院通いが日課になっているお年寄りは、薬を山ほど飲まされて、その副作用で無気力や食欲不振になったり、ふらついて倒れて寝たきりになったりしています。
特に80才、90才を超えてからうっかり医者にかかると、たいていなにか病気を見つけられて、治療されて、早く死んじゃう(胃がん検診➡️がん発見、即治療手術➡️手術に耐える体力がなく死亡)。
◾一度やりだすと、既得権を守りたい人がいっぱいいますからね。
◾「ハインリッヒの法則」っていう経験則がありますよね。1件の重大事故の背後には29の類似の事故があり、その背景には300の異常があるという。これは医療事故にも当てはまって、医療事故でひとり死ぬと、重大な障害を負っている人が29人、ニアミスが300人ぐらいいると考えられています。
◾注射を足にするようになったのは、がんができたら切り落とせるから!
◾がんの治療も、本人はしたくないのに家族が「手術しろ」とか、「抗がん剤打て」って迫って、ぜったい許さないことがよくあります。
今、日本では「自他」の考えかたがゴチャゴチャになってるでしょう。
暗黙のうちに成り立ってる古い感覚と、明治からはいってきた「近代的自我」、人はひとりひとり独立だっていう考えが混ざりあって。
でも、みんなそれをはっきり考えてないですよね。
◾知ることは、知識をふやすことではなく、「自分が変わる」こと。
本当の意味で「ものを知る」ことを繰り返すと、自分が次々に変わっていく。
◾がんか、がんじゃないかってイエスかノーかの話になってるけど、生きものって「中間」があるんですよ。
でも、今の世界では、アバウトな返事は許されないから。
◾終身雇用制はすっかり崩れたのに、親のほとんどは今も「子どもをいい学校、いい会社に入れなくては」という価値観です。
◾「発見」って、ほかの何かを見つけることだとみんな思っているけど、実は「自分が変わる」こと。自分が変わった瞬間、世界が変わる。
昆虫もね、今まで同じ種類だと思っていた虫が違うことに、ある日ハッと気づく。気づいた瞬間が、大発見ですよ。「区別がつかなかった自分」が「区別がつく自分」に変わり、見える世界が変わったんですから。
発見があると、自分は生きてるってしみじみ感じられます。
◾しかしお母様のご判断は賢明でしたね。立てなくなって入院したら、病院は至れりつくせりで、どこへ行くにも「危ないから」って車椅子に乗せられて、だいたい歩けなくなっちゃいますからね。
僕も母みたいに、できるだけふつうの生活をして、朝起きたら死んでいたというのが一番いいな。