自粛バカ

◾哲学者の鷲田清一は、近代化とは生活に必須なインフラをすべて他者に任せていくプロセスのことだ、と言ったけれど、ここでいう「他者」とは、国や地方自治体、モノやサービスを提供する企業のこと。
◾家畜化したままだと、危機が訪れたときにクレームをつけるしか方法がなくなるんだけれど、クレームをつける相手も滅びていたら、どうするのかしら。
◾儲けているのはアメリカを盟主とする資本主義の世界市場で活動する企業だ。グローバルキャピタリズムの主役たちが政治権力者を操って裏で糸を引いている。政治権力者もグローバルキャピタリズムが金づるなので逆らえない。だから政治権力者は、結局のところ彼らが儲かるように国民をコントロールする政策を進めることになる。
◾そのときに格好の大義名分となるのが「安全」「環境」「健康」なんだ。
◾しかし、そのバックにはCO2利権で巨額の利益を得ている大企業の存在がある。身近なところでも、がん検診や健康診断は、実は全部「健康」を口実にした利権でしかない。
養老孟司が言っていたけれど、東大で健康診断の受診率がダントツに低いのは医学部だという。医者は健康診断に意味がないのを知っているから行かないそうだ。
東京農大小泉武夫という発酵学者がいるのだけれど、納豆は賞味期限から2年過ぎても食べられると言っていた。どちらにしても「消費期限(その日までに消費しなければいけない日付)」と「賞味期限(おいしさの目安となる日付)」はインチキだと思う。
内田樹「権力とは無意味なことを強制する装置である」
◾何かを知ろうと思ってひとつの情報にたどりついたら、そこで自分の考えが正しいと思い込むのではなく、次にまったく逆のことが書かれた情報を調べる。こうした作業をしないと、SMSを使っていてもジャンクな情報ばかりに踊らされることになるよ。