陰陽師 9

 

陰陽師 9 (ジェッツコミックス)

陰陽師 9 (ジェッツコミックス)

 

平調(ひょうじょう)の声で 私の胸間を縛るのはおやめ下さい

 

声の魔力 音の魔力 星の魔力

何でも知っておられる

人がどのような声に どう反応するか知ってて

同時に 肝(かん)を使って 相手の肝に向かって 命じるのだ

誰もさからえぬ

思い込ませるのもうまいぞ

 

博雅・・・ おれに・・・ 頼るな・・・

おれに頼れば おぬしは鈍る

判断が鈍れば 行動に遅れる

 

おれを経由させるな

この男はめったなことでは死なぬ・・・

しかし 完全に守られるのは この男の本性が全開した時だ・・・

おれを経由させれば 遅れる

僭越すぎて 言えぬ

 

滞っていた回路を開いて通せば 頭脳は鮮明になる

掌を地に向けて丹田に修めれば・・・

おれの魂はわけなく地と結びつく(グラウディングする)

さすがに 昼の光の中では魂をおさえておかぬと 地に足が着かぬな・・・

 

壊れる ということはな よいことなのだよ 博雅

終わる ということは よいことなのだ

炎をくぐって 新しく 生まれかわるのさ