70歳からの世界征服

70歳からの世界征服

70歳からの世界征服

◾世界の中で良いと言われていることも、悪いと言われていることも、すべてそう言っている人の好き嫌いの話でしかありません。
◾いけないのは、単なる自分の趣味を、意識的にであれ無意識にであれ、善悪の問題にすり替えて、他人に押し付けることです。
◾人々が賢くなり、欲望を抑えて、自分が持っている以上のものを欲しがらず、慎ましく清廉に生きるようになっては、持っているものが粗末で時代遅れだと思わせて、次々と新しい無駄なものを売りつけることでしか立ち行かない資本主義社会は崩壊してしまいます。「自分磨き」(笑)
◾ご飯食べて、念仏唱えて、時期が来たら家で死ぬ。じつはどんな宗教でもそれが基本。本当はそれがいちばんなんです。
◾資本主義の考え方の基本は、人間は元気に生きて、どんどん働いてモノをつくって消費していくというものです。
今一番需要があって、お金が下りやすいのが老人医療。人手が必要、雇用を生み出す。その為に老人が必要とされる。お金を回すのが目的なので、老人は要らないが、老人がいることで地方までお金が回る仕組み。長生きする老人が増えると医者など儲かる人間がいっぱいで、今の国家は福祉がないと成り立たない。そういう仕組みのため、「長生きはよい」という価値観が自然に社会に受け入れられている。ただその創出される雇用は若者を食い物にするようなものだったりする。長生きがお金につながるから、新型コロナのように老人が狙われる病気の蔓延が問題になる。
◾老人がお金を沢山もっているがゆえに経済活動に組み込まれ、その構造を維持するために社会から「生きがい」といった強迫観念が押し付けられて、こういう世界ができてしまっている。結局、その価値観を受け入れることで、社会から承認されたいということですね。
本来、「生きがい」も他人の承認も必要ないものです。伝統宗教の世界では、神様仏様が承認してくれれば、それで良かったわけですからね。
◾人間はいつかは結局死ぬわけです。何をやったって無駄なんです。だから死ぬまで生きているだけのことで、その意味では今生はすべて暇つぶしでしかないんです。
◾「死にがい」老人生きがい本にしても、どういう死に方をするかについては書いていない。
◾他人の人生がどんなに充実して見えたとしても、それはあくまで「他人の人生」。他人の「自分らしさ」と自分の「自分らしさ」は違う。ボーッとしているのも、また自分らしさです。
◾老人生きがい本=老人のための自己啓発本自己啓発本=多くは「自分らしさ」という謳い文句とは裏腹に、人を資本主義の枠組みに組み込んでいく。それは効率や収益を優先し、経済を回す上で役立つ人材を作り出すための洗脳といえる。若いときならいざ知らず、歳を取ってまで「人は輝くべきだ」といって、そのままでいることを許さない。それは本人のためというより、超高齢化社会の中にあってなお老人を資本主義社会に組み込んでいく経済的要請にも見えます。