正義

◾このように、「神は全知全能である」「宇宙の創造主である」という二つの概念は、現代の数学·哲学·物理学で完全に否定されてしまいました。20世紀に不完全定理と量子論(「すべての存在は確定的ではない」)が成功するまでは、神という存在がいてもよかったのですが、今は違います。
◾この世で絶対的に正しいというものは、何ひとつ存在しない。多くの宗教が問題なのは、「正しい価値がある」という幻想を刷り込むから。このように考えると、「正義」という言葉自体が洗脳ということがわかります。
◾「正義」=時の権力者。現在の日本は民主主義国家、主権は国民にあるため、現在の正義は「法律」とも言える。ただし、法律を決めるためには、裏で「権力」や「利権」という力が働き、さらに、世論を左右する「メディア」の存在も忘れてはいけない。
◾常識は「ボトムアップ」(不特定多数から自然発生的に)、正義は「トップダウン」(特定の少数が意図的につくる)で生まれる。
◾全人類に共通するのは煩悩。種の保存という欲望。ボランティアは自己満足なので煩悩。お金を稼ぐことで自己満足を得られる人、好きな異性と結婚することで自己満足を得られる人、困っている人を助けることで自己満足を得られる人がいる、というだけの話。煩悩を「正義」だと言って人に押し付けてはいけません。
◾「もったいない」=経済の論理
◾例えば、「エコ」という正義。「地球にやさしい」という正義によって、多くの人がごみの分別やリサイクルを強要されたと思います。自分の割り箸を持ち歩いたり、エコバッグで買い物をしたりした人もいるでしょう。しかし、その裏には、企業の利権、アメリカの支配者の思惑、またヨーロッパの一部の人が得をするような仕組みが隠されているのです。
つまり、「これが正義だ」と言われれば、その背景に権力が隠されているということ。その権力を行使するための言い訳として、正義という言葉が使われている。絶対的な正義というものは存在しないのですから、好きなように正義を定義できるのです。
キリスト教をつくった人=ローマ皇帝。キリストではない。キリスト教が正義になったのは、ローマ皇帝が国教にしたとき。権力という後ろ楯を得て、はじめて正義が誕生するのです。それまでキリスト教は正義でもなんでもなく、キリストは死刑になる犯罪者でしかなかった。
「神の子」=ローマ皇帝。キリストは自分を「神の子」と言ったため殺された。ローマ皇帝はそれなりに力を持ったキリスト教を利用しなければならなかった。キリスト教会も、宗祖のキリストを殺したローマ皇帝の提案を受け入れた。
それは、原爆を落としたアメリカに、日本企業が原子力発電所の受注に行くようなもの。ビジネスと割りきっており、宗教もビジネスだったわけです。
◾イエス·キリストが唱えた本来のキリスト教は、おそらく仏教的な東洋思想の影響を強く受けていると推測できます。イエスの論理は大乗仏教の論理にものすごく近いのです。
グノーシス派(ローマ皇帝が開いた第1回公会議の時に完全に抹殺されたキリスト教の一宗派)は古来のキリスト教に、より近かったとも推測されています。そのためか、ナグ·ハマディは、「幻の聖書」と言われていました。
発見されたナグ·ハマディを見ると、イエス·キリストは「あなたの心の中に神がいる。宇宙の原理の神とあなたの神を合一することが目的」と言っていたことがわかります。これは、まさしくバラモン教です。アートマンブラフマンの合一と同じです。
もしすべての人の中に神がいることを認めてしまったら、一国民とローマ皇帝ローマ法王が同じになってしまいます。
◾「墓利権」=「死後の行き先は我々が決める。そのためにお金を払いなさい」
◾演繹的定義=トップダウン、上位概念から下位概念を定義。帰納的定義=ボトムアップ、共通点を探す。
◾これは、アメリカの「稼いだものが勝ち」という思想です。だから、あれほど貧富の差が広がっても平気なのです。アメリカ型資本主義の基本となる考え方になっているのが、「お金は平等」だという精神です。結局、現実社会では、正義とは「お金」になっているのです。
◾お金くらいしか価値を客観的に判断できるものが資本主義世界では見つからず、必然的に、アメリカのフェアネスは「お金」になってしまった。
◾「正義が勝つ」=アメリカでは「お金持ちが勝つ」。アメリカではお金次第で寿命も変わる(民間保険)。保険に入っている人しか助からない。
日本赤十字社(民間団体。他の国は国が血液事業を行っている)。日本の血液事業を独占。献血によって、ほぼ無料で提供された血を病院に売っている。血液事業は、とてつもない利権ビジネス。震災時、数千億円を寄付として集め、その後、数ヶ月間被災者に分配されず、その間の銀行利子はすべて日本赤十字社に入っていたことは記憶に新しいです。
赤十字は本来軍の中の救急部隊であり、赤十字のトラックは負傷兵を乗せているため攻撃対象外という特権を持っていた。戦争をしていない現在の日本に赤十字が在ること自体がおかしい。
◾自己責任と同時に、「自分のこと以外は、勝手に決めてはいけない」ということも教える必要があります。これが、まさに正義の問題です。自分以外の人に対して、正しいか正しくないかを評価するのが、正義と思っている人が多いからです。
「お前は間違っている」というだけでなく、「お前は正しい」ということも言ってはいけません。
◾学校で教えるべきことは、「自分以外の人に対して、一切評価してはいけない」ということ。正しかろうが、間違っていようが、自己責任なのです。
自分で自分を評価する方法。嬉しいか嬉しくないか、やりたいかやりたくないか、それだけで十分です。
◾ですから、活字の世界に臨場感をしっかり持つことができれば、活字ではない世界での洗脳に対して、ひとつ上の抽象度をつくることができます。つまり活字よりも高い抽象度を持つものはありますが、活字でもかなり抽象度が高いのです(読書=抽象思考トレーニング)。
◾テロップは、CIAの洗脳実験で、思考能力を低下させるための方法論として検証済み。簡単に言えば、テレビのテロップ文化は、視聴者のIQを下げているということです。それは当たり前のことで、映像が結び付いたテロップの文字は、その他のイメージを想起できなくなるからです。
◾つまり、本を読んでいる間に、自分の頭の中で、どのような思考をしたかが重要だということ。インプットではなく、どれだけ能動的に思考したか(本の内容に対して、頭の中で反論するなど)。
◾どんな科目であっても、クリティカル(能動的)な思考ができること、それが「絶対的に正しい答え(価値)はない」という教育に繋がります。それが、教育の本来の姿だと私は思います。
◾メディアを使って国民をうまく騙した者が得をする仕組み。現在は、テレビによく出ている人が政治家になる時代。そのアンフェアをなくすため、アメリカは「お金」を選択。お金があれば、テレビに出ていなくても選挙に勝てる。日本のような民主主義国家では、正義は法のもとで決められるが、その法を決める国会議員は、メディアによってコントロールされている。その一端を担うのが広告代理店。
◾権力は1ヶ所に集中しないほうがいい。だから三権分立がいいわけですが、日本は立法と行政が同じですから、二権分立です。司法も行政の下にあるようなものであり、実際のところは一権分立かもしれません(GHQの仕業)。
◾広告を売る会社とその効果(視聴率)を調べる会社は同じ。電通フェイスブックと提携。