脳はなにかと言い訳する

 

脳はなにかと言い訳する―人は幸せになるようにできていた!? (新潮文庫)

脳はなにかと言い訳する―人は幸せになるようにできていた!? (新潮文庫)

 

「意識できること」より、「無意識のまま実行していること」のほうがはるかに多い。無意識にこそ、脳の真の活動が潜む。

意識=一種の「警告システム」。想定外が生じた時に、意識が立ち表われる。「脳回路の成長」や「知恵の育成」を促す。

 

海馬の細胞を増やす=勉学に励む、マンネリを避けた刺激ある日常生活、適度のランニング、食べ物をよく噛む、社交の場に積極的に出る、ストレスを避ける、幼児の場合は母親の愛情をふんだんに受けること。

海馬は、記憶を製造、脳に刻み込む役割。

ネズミの実験では、何匹か一緒に、更にオスメス混ぜる方が、神経細胞の増殖能力が高まるが、人間社会と同様に強者弱者も出現、強者の方が細胞の増殖能力が高いことが発見されている。

 

「脳は思い込みが強い」=「迅速な情報処理」のため、しかしその分「マンネリ化」もする。

負の感情がまず脳の根幹にあり、後から楽しい・愉快といった他の感情が生まれてきたのでしょう。

 

「手を動かす」から「手を動かすための脳部位」ができる。「体に引っ張られる形で脳も活性化してくる」。

意識を内側から生み出すのは根本的に難しい。環境主導・体主導「外発的動機付け」「作業興奮」。最終目標以外に細かな目標設定をし、「達成感」を常に得、「報酬系」を刺激。

 

「予測」と「回避」。生じる可能性があることをあらかじめ“知っている”、耐えられなくなったらいつでも回避できることを“知っている”。この二つだけで、通常の環境因子によるストレスだけでなく、薬物で体に直接与えられたような強制ストレスさえも克服できるのである。

逃げ道を知っている、逃げられるという自分の状況を把握することは大事。絶対的な逃げ道は「死」。だから、まだまだ頑張れるとも言える。この意味で、死は生への駆動力といえる。

 

生物は本質的にギャンブル好きであり、損に気づかないことさえも。ビジネスでも、過去成功した事業例には、盲目的な人間の選択癖を利用していることが多い。

 

脳が人間の体に入ってしまった以上、脳の能力は人間の体のコントロールに使われる。10%の脳でも100%の脳でも、乗り物がたまたま人体だったから人間の脳になった。10倍優れた体に入っても、脳は十分コントロール可能と思われる。現在の人体のような、それほど優れていない乗り物ならば、10%使えば事足りる、「10%の能力しか発揮されえない」。基本は体。

 

「目を閉じリラックスするだけでも睡眠と同様の学習促進効果」テレビやラジオをつけていては、学習の反芻・再生は上手くできない。外部情報の「シャットアウト」が重要。しかし、人は起きていると活動してしまうため、結局は睡眠による外界とのシャットアウトがベスト、というところに落ち着くわけです。

 

シータ波=新しい物、冒険など、外界に興味を示す時に出現。海馬を柔軟に、脳の感受性を高い状態を保つ。ガンマ波=意識や集中力、特定の物への注意により強調。チベット仏教の僧は、瞑想により、量をコントロールできるという。

 

生体物質グレリン=胃が空っぽの時血流に乗り、胃から脳へ放出される消化管ホルモン。「視床下部」に作用すると食欲増進。学習に必須な「海馬」にも強く作用し、シナプスが30%増加、活動の変化率が増大する。空腹な方が「頭が冴える」。

 

記憶の「再固定化」。記憶「再生」中に遺伝子の働きを阻害すると、その記憶自体脳から消えてしまう。中途半端な記憶の再生により、正確な記憶が損なわれてしまう。「再固定化」を考慮すると、場合により復習しない方がよいことも。復習は時間を掛けて丁寧に。人間の脳に保存された記憶は、アクセスするだけて不安定になるので注意!

 

睡眠には、忘れかけた情報を呼び起こして記憶を補強する効果。ただし、類似した情報を立て続けに覚えて睡眠をとると、記憶の干渉により、より最近の記憶のみ強化される。6時間以上学習時間を離すこと。

「睡眠は、記憶を再構築することで、知識を抽出し、インスピレーションをもたらすのではないか」

数学は一気に、英語は少しずつ。