現代版 魔女の鉄槌

◾思い返せば、ツイッターが登場するまでのIT技術の進化は、ある方向性において、1本の糸で結ばれていました。グーグルの検索エンジンが思想調査に使用され、フェイスブックが中東の民主化を促し、さらにツイッターではつぶやきを自然言語処理することによって、それが国家の政策立案に使えるという研究成果が出されました。
陰陽師·安倍晴明の「呪」ではありませんが、人の心は、書かれた文字、書かれた内容に非常に囚われてしまうものなのです。
◾現在のキリスト教は、キリストの教えとパウロによる定式化といいながら、じっさいの中身は別の人物(コンスタンティヌス大帝)によって都合よく創作されている事実を隠しています。
コンスタンティヌス大帝が主導し、意向を働かせて27篇を選ばせたという歴史的事実を見れば、キリスト教の開祖は彼しかいない。
◾イエスの生誕日(元々不明)が12月25日なのは、同時ローマ帝国キリスト教より流行していたミトラ教の教祖の生誕日を取り入れたから。聖母伝説も取り入れ、ミトラ教徒の取り込みまで行った。ミトラ=サンスクリット語マイトレーヤ(弥勒菩薩)と同語源。時代的にも、キリスト教大乗仏教と似ていると言われるのはミトラ教を取り込んだためかも知れない。
◾イエスは、ローマ皇帝しか語ってはいけない「神の子」を語ったから、辺境の地でさっさと処刑された、ただそれだけのこと。
ローマ法王庁はイタリアにある。イタリア人はかつてのローマ人。ローマ人に取り囲まれるなかで、ローマ人がキリストを殺したといえば、間違いなく血の雨が降るでしょう。
◾宗教はいつの時代においても、政治と権力に都合のいい協議をつくり上げるもの。彼らは、権力者の権力強化に役立つからこそ、勢力が拡大し成功することを知っている。そうでなければ、キリストのように権力者に一撃で潰されて終わり。
◾ジェームス1世が1611年につくったプロテスタントの英語訳聖書『欽定訳聖書(KJV聖書)』。“汝殺すことなかれ”の“kill”が“murder”に変わっている。神の認める“kill”は“murder”ではないという、まさに魔女狩りや十字軍の論理が聖書の解釈ではなく、聖書の文字に表された。アメリカインディアンの虐殺、原爆投下にも同じ論理が感じられる。
◾救いを求める人ほど、騙しやすいものはありません。なぜ書かれた教義を盲目的に信用する心が生まれるのかといえば、それは、他人を信じていないにもかかわらず、信用できる対象が欲しいと考えているから。すべてのことを疑う心を持てば、信用に足る対象が欲しいという浅薄な気持ちは、すぐに消えてなくなる。そうすれば、自らの判断で信用できるものを受け入れようと前に出る自信が、逆に心に満ちてくるはず。猜疑心と不満。その満たされない心に作用するのは、つねに宗教であり、言葉でした。
◾その寛容さに変化が表れるのは、キリスト教が権力と結びつき、権威を持ちはじめてから。権力維持の一翼を担い、宗教として権勢を振るうようになると、その権威が貶められることを嫌うようになる。その結果、宗教的な純化が行われる。正統以外は撲滅。何が正統か➡️信仰ではなく政治力。
◾テレビやラジオといったマスコミュニケーションの手段がないため、宗教者による教導は、大衆洗脳の唯一最大の手段だった。
◾このように、宗教と権力が結びつき、国教化されるということは、すなわち宗教が権力者の権力闘争の道具として採用されることと同義です。権力者にとっての異端=剣に浮いた錆び。
宗教改革は、信仰を守ることと、教会という場で祈ることとの矛盾に気づいた宗教指導者や信徒たちによる、信仰の原点回帰が出発点。場所は関係ない、そもそも教会は必要ない。➡️ローマンカトリック教会にとって都合の悪い論理。キリスト教を国教とする政治勢力の権威が崩れる。
◾洗脳の基本は、情報を権威づけし、あたかもそれが唯一絶対のものであるかのように見せかけることが第一歩。
魔女狩りが、その傍らで起こった宗教改革の炎に燃料をくべる役割を果たし、その結果として資本主義を発展させ、今日の欧米流の金融資本主義をも成功裏に導いた。
◾資本主義はすでに宗教に変質している。ヨーロッパ中性において宗教改革運動の弾圧のために魔女狩りが財源として用意されたように、現代では、資本主義という宗教の発展のために、その推進力をドライブさせる燃料が準備されている。
◾中世ヨーロッパも21世紀の世界も、権力者が我欲を果たす目的を隠しながら大衆を操作する点で、本質は同じ。彼らはつねに、自分たちの懐は温存したまま、ふつうの人々には血を流せと迫る。
◾その昔から権力者に共通することは、自分たちの手を汚したり、自分たちの血を流そうとはしない、という点。そして、なにかマイナスの事態が起こると、その責任や穴埋めを、市井で暮らす人間に求める。
◾歴史が見せつけるのは、権力者がつねに抱いている、飽くなき金銭欲と征服欲の強さ。彼らは、いつでも自分が欲しいときに、もっともらしい理由を捻り出して、人々の命をとってまでその懐に暴力的に手を突っ込んでくる。「まさか、奴らだって、そこまで酷いことしないだろう」。そんなふうに考えていると、痛い目に遭う。
◾国が責任を持つということは、その責任において国民が殺されるということ。
◾真実とは何かという場合に、絶対に間違っていない真実は情報空間にはない。しかしながら情報そのものには機能があり、読み手に機能を提供する情報は、その人にとっての真実になる。
◾よりよい機能を社会に提供するというのは発信者の責任であり、かりにこの原則が破られるとすれば、まさに疑心暗鬼の世界に雪崩を打って突入しなければならない。
◾情報空間における真実は、それが正しい情報か否かという問題ではなく、発信者と受信者との間に正常な関係が成立していれば、そこでやりとりされる情報を真実と呼ぶ。
◾金儲けの意識で情報に接していると、簡単にメディアに洗脳される。
鳩山首相の父、鳩山一郎は、そういったヨーロッパの人脈につながる人でした。民主党の本質は、もともとヨーロッパ的な思想へと、日本の舵を切ることだったと考えられます。鳩山首相は、それを指して「友愛」といったのです。
ディベートの3つの要素。「データ」事実、「ワラント」根拠、「クレーム」主張。ツイッターはクレームのみを述べる世界。アファメーションのようなもの(自分に言い聞かせる言葉)。リツイートが繰り返されていくうちに、受信者には自然にクレームが刷り込まれ、最後にはデータもワラントもないまま、クレームの内容を受け入れるようになる。パーソナルな空間であるがゆえに、普段より強く刷り込まれやすく、つぶやきが次のつぶやきを運んでくることにより、マインドコントロールがゆっくりと浸透していく。
電通B層戦略からこのかた、物事の本質とは全く異なるレベルで、人間が行う判断や選択を誰かが意図的に特定の方向へと誘導することが、ごく当たり前のように行われてきた。そして、いまそのやり方が、より軽く、かつより強力なものへと移っている。
エシュロンに始まるアメリカの監視プロジェクトの流れは、すでに新たな段階に到達していた。そして、B層戦略、ワンフレーズ戦略、グーグル検索の検閲というすべての布石を置いてみると、盤上につぶやきという新たな戦略が浮かび上がってきた。
◾現代の魔女狩りは、間接的な方法で、人間に認識の目をつくっていくことから始まる。
小沢一郎が標的にされていることは、すでに指摘した。検察審査会は、もともとGHQが日本の検察を操るために生み出した組織。