予見力

◾占い師や歴史学者は、現在や未来のことを認識するために「過去の情報」をベースとしており、それはあくまで過去の認識の延長線上にある未来であって、真の未来ではない。
◾未来の視点から、現在状況を正確に見ることが「予見力」。未来の視点から眺めることで、今目の前で起こっている現象の中に未来の兆しがはっきりと立ち上がってくる。
◾「未来はすでに起こっている」、未来だからこそ自由に決めていい。その未来から現在を見つめることで、自分が思い描いた未来につながる情報や未来の実現を妨げる情報が現状の世界の中から立ち上がってくる。それが「今まさに起こっている出来事を正しく見る」ことであり、「現在の中にある未来を見いだす」こと。
◾まずは未来をイメージして、「その未来は起こっているのだ」と強烈に思ってください。そうすれば、あなたが思い描いた未来が引き起こした「果」を現在の中に見つけることができます。その「果」を見つけることができれば、未来への扉は大きく開かれます。
◾重要なことは、「現状の外側にある未来」を描き、その未来の臨場感を強めること。そうすれば、おのずと「とんでもない決断」をすることができ、想像もできないような未来を自分の手につかむことができる。そして、それを実現するツールこそが、「予見力」。
◾「物事を立体的に見る」➡️時間と空間を超えた推測をして認識する。この世界に存在するすべての人やモノ、現象には、私たちが物理空間で体感する以上の膨大な情報が含まれており、その膨大な情報によって形成されるのが情報空間。情報空間へのアクセス=抽象思考のトレーニング。トレーニングを続ければ、普段から高い抽象思考ができるようになり、物理空間に縛られているときには見ることができなかった法則性、世界を支配しているルールが見えてくる。高い抽象度を持っていれば、目の前の世界は「予測不能なことばかりが起こる、先行き不透明な世界」ではなく、「ある一定の法則に基づいて動いている、整合性のある世界」となる。
◾80年代、日本は円を刷るだけ刷って、海外の土地を買い漁った。円パワーによって世界に進出する日本に危機感を抱いたアメリカ、イギリスをはじめとする先進国は「日本に勝手なことをさせてはだめだ」と判断して、BIS(国際決済銀行)規制をかけてきた。施行は1992年からだが、国家間合意は1988年であり、このBIS規制がバブル崩壊の引き金を引くことになった。
BIS規制=「貸付金に対して8%以上の自己資金を積みなさい」というルール。上限の足かせをはめられて、日本はお金を自由に刷ることができなくなった。
◾人間は情報的な存在になることで、コピー&ペーストできる存在に。どの自分が本物かという問題、インテンショナリティ(「意図性」)の考え方が重要なキーに。つまり「自分を転送させる」というインテンション(意図·意思)があったために、オリジナルはコピーが完了した時点でオリジナルではなくなり、コピーされた人の方がオリジナルとなる。
◾情報化による不老不死、「人間の機械化」
人類の進化は、
第2段階···人間は元々の体を捨てて、ロボット技術やクローン技術で人工的な体を作り、脳の限界寿命の200年までいきるようになる。
第3段階···脳の機能を人工的に再現できるようになり、人間は情報的存在となる。そして、人間を定義するのは記憶の連続性のみとなる。
この人類進化のプロセスは、いわば情報化によって永遠の生命を獲得するプロセス。
◾「機械の人間化」
「意識を持ったコンピューター」と「身体を捨てて情報化した人間」との間にどんな違いがあるのか。記憶の連続性。当人の意識が内省的に自己をどうとらえるかという視点のみ。「私は人間だ」と思えば人間、「私はコンピューターだ」と思えばコンピューター。
◾ほとんどの人は、自分自身が奴隷状態にあることさえ気付いていない。権力者から与えられる情報に洗脳されて、「お金持ちになることが幸せ」「社会的地位が上がることが幸せ」など偽りの幸せ(奴隷の幸せ)によってコントロールされている。
◾2次元平面、3次元縦に広がる宇宙、4次元時間方向に広がる宇宙、その先がA次元。それまでとは別世界、時空さえも超越した究極の抽象度の空間。「天才」と呼ばれた人々はみなここに至ることで“悟り”を啓(ひら)いた。仏陀やキリストは人類の真の生き方について自覚し、アインシュタイン相対性理論ゲーデル不完全性定理モーツァルトは世界の美しさを表現する数々の楽曲の着想を得た。情報量は限りなくゼロに近いが、しかし宇宙の全情報を潜在的に持っている状態というのは、宇宙が誕生したビッグバンの直前の瞬間と同じ。一見何もない「無」だが、宇宙のすべてを満たすものが存在。だから「空」。先端物理学の仮説のひとつである「超ひも理論」でいえば、ひもがまだ振動していない状態。振動を始めれば素粒子レベルで計測可能であり、ひもそのものは「有」。計測不能のため「空」。
◾物理空間、「秩序から無秩序へ」「エントロピーの増大」。情報空間、「ビッグバンは世界の終わり」であり未来の出来事。はじめは混沌、しかし、人々が高い抽象思考によって情報空間を支配する術を身に付けることができれば、ランダムにしか見えなかった情報宇宙が徐々に整合性を持つようになり、エントロピーが減少していく。「無秩序から秩序へ」移行し、やがて完全に整合性のある宇宙、空の世界に収束していく。
◾人間の意識を空の世界、A次元にまで昇華させること。それこそ、人類を滅亡から救う唯一の方法だと思っている。
◾「人類は、物理空間のボトルネックを次々と取り払っていき、情報空間を生きるようになる」。マイクロソフト、グーグル、P2P、脳とコンピューターを直接繋ぐインターフェースが利用される近未来がそのプロセス。人類が情報宇宙のビッグバン(200億年後)に向かっていくための過程。